尿トラブルには、まず、尿について理解するところから！

尿の色は、にごりがなく透明で、黄淡色またはビ－ル色をしています。
血液中の赤血球が寿命を迎えると、肝臓で分解されビリルビンという物質が産生されます。このビリルビンが尿細管で一部酸化され黄色の物質のウロクロム色素へ変化します。そのため正常な尿はきいろい色をしています。
ウロクロム色素の産生される量と排泄される量は、ほぼ一定のため尿の量が多ければ尿のきいろい色は薄く、尿の量が少なければ尿のきいろい色は濃くなります。
またこの他に、病気や食事、飲んでいる薬によっても尿の色は、変わるそうです。

尿には、次のような働きがあります。
・体内の水分の量を保つ
・体内を弱アルカリ性に保つ
・体内の老廃物（クレアチニン・尿素窒素・アンモニアなど）を身体の外に出す
・体内のナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの電解質の濃度を調整するなど、体液を一定に保つ

個人差はありますが、1回のおしっこの量はおよそ200～300mlくらいです。
季節や飲む水分量によっても、尿の量は変わりますが、体内の水分量を一定に保つために腎臓は、尿の量を調節しています。
膀胱の平均的な容量は300～400mlくらいです。膀胱に、尿が150～200mlくらい溜まると、身体は尿意を感じます。
膀胱の容量と尿意を感じる量との間には、余裕があるので尿意を感じてすぐにトイレに行かなくても漏れないようになっています。

私たちは、食事などにより取り入れたものを消化し栄養分を摂取しています。身体は、多数の細胞で構成され、細胞は血液によって届けられた栄養分を燃焼させてエネルギーを取り出す物質代謝を行っています。この時、細胞ですべての栄養分が完全に燃え尽きるわけではなく、燃えカスとして二酸化炭素と水、いくつかの代謝産物が残ります。
体内から出る燃えカスは、水溶性のものと不溶性のものに分けられます。水溶性のものはそのまま腎臓へ運ばれて尿となりますが、不溶性のものは肝臓で水溶性のものに変えられてから腎臓へと送られています。
糖質・脂質からエネルギーをつくった後に残る燃えカスは、二酸化炭素と水で二酸化炭素は、息から吐き出され、水は、尿や汗となって排泄されます。
たんぱく質を体内で燃焼させると、アミノ酸の窒素からアンモニアがつくられます。アンモニアは、きわめて有害な物質なので肝臓に運ばれ、アルギナーゼとよばれる酵素の働きで、無毒の尿素に作り替えられ腎臓に送られ尿の中に排泄されています。
以上のように尿の成分のほとんどは、水ですがわずかな尿酸とその他、微量の塩素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン酸などのイオン、クレアチニン、尿酸、アンモニア、ホルモンを含んでいます。

私たちの身体は、 身体から出ていく水分（尿や便などで出ていく水分・皮膚から汗として出ていく水分・呼気と共に出ていく水分）と
身体に入ってくる水分（食事に含まれる水分・飲料に含まれる水分・代謝水：細胞の活動で体内で生まれる水分：約300ml）があります。
頻尿など排尿が多い、運動でたくさんの汗をかく、高温の時期などは、身体から多くの水分が出ていっています。一度に多くの水分摂取を行っても身体に吸収される前に尿として排泄されてしまいますのでちびちびとこまめに水分摂取をおこないましょう。

カフェインは、利尿作用があります。
しかし、コーヒー、紅茶がダメでは、ありません。コーヒー、紅茶ばかりを飲み続けるのではなく、飲みすぎに注意してミネラルウォーターなどとうまく組み合わして
1日の適量の水分量を摂取してください。