2018年介護報酬改定で、介護施設入所者の自立した排泄を支援する体制を評価する「排せつ支援加算」が新設されました。それから昨年の2021年4月の介護報酬改定により新たな加算体系が創設されましたので詳しく調べてみました
そもそも排泄支援加算とは何?
2018年1月に発表された介護報酬改定において「排せつ支援加算」が算定できるようになり新設されました。「自立支援・重度化防止に資する質の高い介護サービスの実現」を目的とするもので、ご利用者の排泄機能の向上によるQOL向上を目指すとともに、介護者側にとっても取り組んできた支援体制が評価される仕組みでした。
「排せつ支援加算」が新設されたことで、これまで施設ごとに独自に取り組んできた排泄支援が評価され加算を前提に、支援体制も、より積極的な取り組みが進められることが期待できます。
取組んできた支援が評価されることで事業所内においても排泄支援へのさらなる意識付けができるようになり、また支援体制の見直しにもつながり結果として、事業所全体の介護サービスの質が上がり、利用者のQOL向上とともに、多職種連携の強化にも役立つ仕組みです。
「排せつ支援加算」が新設されたことで、これまで施設ごとに独自に取り組んできた排泄支援が評価され加算を前提に、支援体制も、より積極的な取り組みが進められることが期待できます。
取組んできた支援が評価されることで事業所内においても排泄支援へのさらなる意識付けができるようになり、また支援体制の見直しにもつながり結果として、事業所全体の介護サービスの質が上がり、利用者のQOL向上とともに、多職種連携の強化にも役立つ仕組みです。
当初の排せつ支援加算とは?
2018年に導入された「排せつ支援加算」は、
医師や看護師など多職種との連携に基づいて,排泄状態の改善が見込まれるご利用者に対して適切な支援を行うことで評価される,というものでした。
排泄の状態が「一部介助」または「全介助」と評価される方に対して、ご本人をよく観察しアセスメントをして,必要なケアを行っていくといったプロセスが評価されるものでした。
加算の算定に当たっては「排泄状態の改善」という結果は必須ではなく,対象者に応じた排泄支援を行う過程,そして改善されなかった場合にはその要因分析を多職種と検討し,明確化することで算定要件を満たしていました。
医師や看護師など多職種との連携に基づいて,排泄状態の改善が見込まれるご利用者に対して適切な支援を行うことで評価される,というものでした。
排泄の状態が「一部介助」または「全介助」と評価される方に対して、ご本人をよく観察しアセスメントをして,必要なケアを行っていくといったプロセスが評価されるものでした。
加算の算定に当たっては「排泄状態の改善」という結果は必須ではなく,対象者に応じた排泄支援を行う過程,そして改善されなかった場合にはその要因分析を多職種と検討し,明確化することで算定要件を満たしていました。
2021年4月の介護報酬改定後の排せつ支援加算とは?
2021年4月の介護報酬改定後の「排せつ支援加算」は、国に対して排泄に関するデータを提出してフィードバックを受けるというPDCAサイクルを評価する加算と、その結果として利用者の自立排泄が達成された場合にアウトカム評価をする加算体系が新たに創設されました。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、継続的に改善していくことです。
介護報酬制度では「アウトカム評価」という形が使われ、「サービスによりご利用者の状態がどう変化したかという観点からの評価」を表します。
例えば排尿・排便の状態が改善したり、おむつ使用ありから使用なしへと改善するアウトカムを評価されるということです。
PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、継続的に改善していくことです。
介護報酬制度では「アウトカム評価」という形が使われ、「サービスによりご利用者の状態がどう変化したかという観点からの評価」を表します。
例えば排尿・排便の状態が改善したり、おむつ使用ありから使用なしへと改善するアウトカムを評価されるということです。
排せつ支援加算の変更点は5つ
2021年4月の介護報酬改定後の「排せつ支援加算」の変更点は下記の5つです。
①入所者全員のスクリーニング実施により、利用者単位の加算から事業所単位の加算体系に変更
②6カ月間の期限から、6カ月以降も継続算定が可能に
③加算体系に国のデータベース「LIFE」へのデータ提出が義務化に
⓸排泄状態の改善(アウトカム)について評価する新区分を設けた
⑤看護小規模多機能型居宅介護も算定の対象に追加された
①入所者全員のスクリーニング実施により、利用者単位の加算から事業所単位の加算体系に変更
②6カ月間の期限から、6カ月以降も継続算定が可能に
③加算体系に国のデータベース「LIFE」へのデータ提出が義務化に
⓸排泄状態の改善(アウトカム)について評価する新区分を設けた
⑤看護小規模多機能型居宅介護も算定の対象に追加された
算定について
「排せつ支援加算」は、ご利用者の排泄状態を改善する取組に対して算定される加算です。
これまでの算定は、起算した月から「6カ月までの算定」とされていました。2021年4月の介護報酬改定後は、継続的な取組を促すために「6カ月以降も算定可能」となりまた、排せつ支援の取組だけでなく、排泄状態の改善を評価するという目的も加わり新たな区分が設けられました。
改定前は、排せつ支援加算 100単位/月
改定後は、排せつ支援加算 (Ⅰ)1月につき10単位〈新設〉
(Ⅱ)1月につき15単位〈新設〉
(Ⅲ)1月につき20単位〈新設〉
(Ⅳ)1月につき100単位
(加算Ⅰ~Ⅲの併算定は不可)
これまでの算定は、起算した月から「6カ月までの算定」とされていました。2021年4月の介護報酬改定後は、継続的な取組を促すために「6カ月以降も算定可能」となりまた、排せつ支援の取組だけでなく、排泄状態の改善を評価するという目的も加わり新たな区分が設けられました。
改定前は、排せつ支援加算 100単位/月
改定後は、排せつ支援加算 (Ⅰ)1月につき10単位〈新設〉
(Ⅱ)1月につき15単位〈新設〉
(Ⅲ)1月につき20単位〈新設〉
(Ⅳ)1月につき100単位
(加算Ⅰ~Ⅲの併算定は不可)
対象サービスは?
対象サービスは、介護老人福祉施設、地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人保健施設、介護医療院に加えて看護小規模多機能型居宅介護が2021年4月より追加となりました。
おむつの使用に変化があり終日使用から夜間のみおむつ使用となった時は、おむつなしとなる?
排せつ支援加算(Ⅱ)または(Ⅲ)の算定要件について、終日おむつを使用していた入所の方が、夜間のみのおむつ使用と変化があった場合は、排泄状態の改善と評価して差し支えないか?についての回答は、その方のおむつの使用がなくなった場合において、排泄状態の改善と評価するものであるため、おむつの使用が終日使用から夜間のみ使用になったとしても、算定要件を満たすものではないとのことです。
私の見解なのですが日中の活動においておむつを使用しなくてよい状態になったことに対して評価されないという驚きが隠せません。腹圧や頻尿時の尿意切迫がなくなりおむつを使用しなくていい状態になるだけでもかなりの改善だと思うのですが。夜間のおむつ使用は、ご高齢者の抗利尿ホルモン減少や高血圧、糖尿病などが多いことや手足の冷えなど様々な要因から夜間のトイレ回数の多さや就寝時からトイレに起き上がり移動にかかる時間や尿意切迫から焦って転倒を防ぐという意味合いから夜間のおむつ使用は、必要なのではないでしょうか
私の見解なのですが日中の活動においておむつを使用しなくてよい状態になったことに対して評価されないという驚きが隠せません。腹圧や頻尿時の尿意切迫がなくなりおむつを使用しなくていい状態になるだけでもかなりの改善だと思うのですが。夜間のおむつ使用は、ご高齢者の抗利尿ホルモン減少や高血圧、糖尿病などが多いことや手足の冷えなど様々な要因から夜間のトイレ回数の多さや就寝時からトイレに起き上がり移動にかかる時間や尿意切迫から焦って転倒を防ぐという意味合いから夜間のおむつ使用は、必要なのではないでしょうか
排せつ支援加算状況について
特別養護老人ホームにおいて排せつ支援加算を算定している割合について(平成 30 年度介護報酬改定の影響に関するアンケート結果より抜粋)
算定状況は、
算定している 3.7%
近いうちに算定予定 19.5%
算定していない 76.7%
算定している理由は、
単位数が魅力的である 4.8%
取得により排せつ支援・改善へのプロセスを構築したい 42.2%
算定していない理由は、
算定要件(介護を要する要因を多職種が共同で分析し支援計画を作成)を満たすことが難しい 36.8%
かかるコスト・手間に比べて単位数が割に合わない 42.4%
算定可能な改善の見込める入所者がいない 11.2%
必要性を感じていない 5.1%
算定されている割合の少なさが読み取れます。
算定状況は、
算定している 3.7%
近いうちに算定予定 19.5%
算定していない 76.7%
算定している理由は、
単位数が魅力的である 4.8%
取得により排せつ支援・改善へのプロセスを構築したい 42.2%
算定していない理由は、
算定要件(介護を要する要因を多職種が共同で分析し支援計画を作成)を満たすことが難しい 36.8%
かかるコスト・手間に比べて単位数が割に合わない 42.4%
算定可能な改善の見込める入所者がいない 11.2%
必要性を感じていない 5.1%
算定されている割合の少なさが読み取れます。
まとめ
2021年4月の介護報酬改定では、国のLIFEへのデータ提出を要件とする加算の新設、見直しが行われました。2018年からの排せつ支援加算にLIFE提出を義務付けるとともに、アウトカム評価による区分が設けられたのです。
排泄は、生活の中で何度もくり返す行為であり、尊厳や日常生活の意欲に大きな影響を及ぼすとても大切な生理的現象です。高齢となりご本人やそのご家族が望む生き方のためにQOL の向上・尊厳の保持を目指すためにも尿ケアは、介護の問題だけではなく40代くらいから誰でも当たり前に取組むべき人生の課題であると捉えています。
改定により排せつ支援加算は介護の質の向上につながる取組と排泄の改善がより一層進められるようになりました。
ご高齢となり尿トラブルから紙おむつなどを使用する状況からの改善は、なかなか難しいことかもしれません。
やはり、そうならないような早期の取組こそが大切なのではないでしょうか?
広島市から尿ケアを発信しています。
お気軽にご相談ください。
排泄は、生活の中で何度もくり返す行為であり、尊厳や日常生活の意欲に大きな影響を及ぼすとても大切な生理的現象です。高齢となりご本人やそのご家族が望む生き方のためにQOL の向上・尊厳の保持を目指すためにも尿ケアは、介護の問題だけではなく40代くらいから誰でも当たり前に取組むべき人生の課題であると捉えています。
改定により排せつ支援加算は介護の質の向上につながる取組と排泄の改善がより一層進められるようになりました。
ご高齢となり尿トラブルから紙おむつなどを使用する状況からの改善は、なかなか難しいことかもしれません。
やはり、そうならないような早期の取組こそが大切なのではないでしょうか?
広島市から尿ケアを発信しています。
お気軽にご相談ください。